近年、日本でもCBDを利用する人が増加していて、ネットや店頭でCBD関連の製品を目にする機会も多くなったように思います。
これからもCBD業界はさらに盛り上がってどんどん発展していくんだろうなというのが私の考えです。
そんなCBDですが、成分の違いなどにより大きく分けて3種類の名称で区別されていることをご存知ですか?
CBDには、「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「アイソレート」という3つの種類があるのです。
CBDを利用している人の中にも、これらの名前や違いについて聞いたことがないという人は多いのではないでしょうか?
これらの違いを知ると、どのタイプのCBDがあなたに合っているのかを、好みや効能の面で考えることができます。
この記事では、それぞれの違いを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
CBDについておさらい
「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「アイソレート」のそれぞれの解説をする前に、まずはCBDについて、少しおさらいをしてみようと思います。
CBDとは、大麻に含まれる成分のカンナビジオール(Cannabidiol)の一種です。
大麻にはカンナビノイドと呼ばれる成分が100種類以上含まれているのですが、CBDもその成分の中の1つになります。
海外で医療用の大麻に関する研究が進歩するとともに、CBDの成分や効果に関する様々な可能性が注目され始めました。
注目されているCBDの効果の中には、ストレスの緩和・抗うつ作用・筋肉痛の軽減・疲労回復などがあります。
ちなみに、日本で法律で禁止されているのは、大麻の中のTHCと呼ばれる成分です。CBDに関しては日本でも合法なので、安心してお使いください。
フルスペクトラムCBD
それでは、フルスペクトラムのCBDに関する解説をしていこうと思います。
自分の体内に取り入れるものがどのような成分で構成されているのかを、自分で知っておくことはとても大事なことです。
安心してCBDを使用するためにも、それぞれの違いをしっかりと理解しておきましょう。
フルスペクトラムCBDとは
フルスペクトラムとは、日本語に直すと「全範囲」や「全領域」という意味になります。
つまり、フルスペクトラムCBDは全範囲のCBDと表現することができます。
詳しく解説します。
大麻に100種類以上のカンナビノイドが含まれていることは、CBDの説明をした際にすでにお伝えしましたね。
その100種類以上含まれているカンナビノイドの中で、医療的に1番有力なものがCBDです。
フルスペクトラムCBDとは、カンナビジオールに加えて100種類以上ある他のカンナビノイドが全て含まれているCBDのことを指します。
また、フルスペクトラムCBDにはカンナビノイドだけでなくテルペンや脂肪酸、タンパク質や必須ビタミンおよびミネラルなど、たくさんの成分が含まれています。
このように、大麻に含まれる多くの成分が含まれているCBDがフルスペクトラムのCBDになります。
色々な成分が入っているということで、色々な効果がありそうなフルスペクトラムCBD。実際どのような効果があるのかを次の章で紹介します。
フルスペクトラムCBDの効果
フルスペクトラムCBDにどのような効果があるのかを見ていきましょう。
含まれてる成分が多いので、フルスペクトラムCBDにはたくさんの効果が期待されています。
フルスペクトラムCBDに関する説明をするには、アントラージュ効果という言葉を理解する事が必要不可欠です。
アントラージュ効果とは日本語で側近効果と呼ばれ、抽出した単体の成分を摂取するよりも、単体ではなく原料に含まれている成分をそのまま摂取した方が薬理効果が期待できるというものです。
わかりやすく言い換えると、サプリメントでビタミンを摂るよりビタミンを含んだ野菜を食べた方がビタミン以外の成分も摂取できて身体に良い、という事です。
このアントラージュ効果は、CBDを摂取する上でも例外ではありません。
カンナビジオール以外の成分も含まれたフルスペクトラムCBDを摂取する事で、相互作用により多くの効果を得る事ができると考えられています。
そんなフルスペクトラムCBDの効果として挙げられているものは、抗不安・抗炎症・抗てんかんなどです。
これらに加えて、ストレスの緩和や睡眠促進、疲労回復などの効果もあります。
また、CBD単体の場合は摂取量を増やしても、一定量を超えたら現れる効果が頭打ちになるが、フルスペクトラムCBDの場合は、摂取すればするほど効果が得られるという研究が発表されたこともあります。
このように、フルスペクトラムCBDは成分が多く、様々な効果が期待できます。
フルスペクトラムCBDとTHC
そんなフルスペクトラムCBDですが、特徴の1つに、日本では違法な成分のTHCが含まれているというものがあります。
THCとは大麻に含まれる成分の1つで、精神活性作用があるとして日本では法律で禁止されています。
フルスペクトラムCBDは、カンナビジオールも含めた全てのカンナビノイドが含まれているということを説明しましたが、これにはTHCも含まれるのです。
日本で違法なTHCが含まれているので、フルスペクトラムCBDも本来なら日本では違法です。
しかし、実際は日本でもフルスペクトラムCBDは出回っています。
なぜそんなことが起こっているのか?その理由は、日本で売られているCBDは全て海外で製造されたものだからです。
日本でCBDを製造することは禁止されているので全てのCBDが輸入されたものなのですが、輸出国の中にはTHCが合法な国もあります。
それらの国では微量なTHCが含まれたCBDが合法的に販売されています。
そんな国から輸入するCBDの中には、THCがわずか(0.2%程度)に含まれたCBDがあるのですが、この程度の微量なTHCは税関の薬物検査で検出されない場合があります。
このような理由で、THCが含まれたフルスペクトラムCBDが日本で出回る事があるのです。
海外では、THCを全く含まないCBDよりも、THCを含んだCBDの方がアントラージュ効果によって得られる効能が多いと考えられています。
また、CBDに含まれている程度の微量のTHCでは精神活性作用は現れず、危険性はないとも考えられています。
日本は諸外国に比べて大麻に関する研究が遅れているので未だ禁止されていますが、合法的にフルスペクトラムCBDが販売される時代も来るかもしれませんね。
ブロードスペクトラムCBD
次に紹介するのはブロードスペクトラムと呼ばれるCBDについてです。
全てのカンナビノイドが含まれているフルスペクトラムCBDと比べて、どのような違いがあるのでしょうか。
特徴も含めて解説していきます。
ブロードスペクトラムCBDとは
ブロードスペクトラムとは、「幅広い」「大まかな」などの意味があります。
CBDに当てはめると幅広い成分が含まれたCBDという意味になり、フルスペクトラムほどではないが多くの成分を含んだCBDのことをブロードスペクトラムCBDと呼びます。
ブロードスペクトラムCBDはマルチスペクトラムCBDと呼ばれることもあり、フルスペクトラム同様にアントラージュ効果によって様々な効果を得る事ができると考えられています。
このブロードスペクトラムCBDには上記で紹介したフルスペクトラムCBDとこのあと紹介するアイソレートCBDのちょうど中間で、いいとこどりのようなCBDです。
ブロードスペクトラムCBDは定義が曖昧
ブロードスペクトラムCBDは、フルスペクトラムほどではないが多くの成分が含まれていると説明しましたが、注意点があります。
実はブロードスペクトラムCBDの基準はかなり曖昧で、CBD以外の成分が1つだけ入っていてもブロードスペクトラムになるし、CBD以外の成分が90種類含まれていてもブロードスペクトラムになるのです。
このようにCBD以外の成分が少しでも入っていればブロードスペクトラムCBDを名乗る事ができるので、含有成分が豊富なブロードスペクトラムCBDとそうではないブロードスペクトラムCBDが存在する事になってしまいます。
海外でも明確な基準がないので、様々な解釈があり、CBD業界で混乱を生む要素の1つになっています。
1番のおすすめは、フルスペクトラムCBDからTHCだけを排除したブロードスペクトラムCBDです。
合法的に使用できる上に、たくさんの効果を得る事ができます。
アイソレートCBDとは
最後に紹介するのは、アイソレートと呼ばれるCBDです。
アイソレートCBDは、CBDのみを抽出して製造されているピュアなCBDの結晶粉末の事を指します。
CBDクリスタルなどと呼ばれることもあり、多くの成分を含むフルスペクトラムCBDやブロードスペクトラムCBDと違ってCBD以外の成分が含まれていない事が特徴です。
日本国内で販売されているCBDの中で1番数が多いのがアイソレートCBDになります。
アイソレートCBDの場合他の2種のようにアントラージュ効果を得ることはできませんが、CBDそのものの純粋な効果を感じる事ができます。
初めてCBDを使用してみる方や、カンナビジオール以外の成分を体に取り込む事に少し抵抗がある人などには、このアイソレートCBDがおすすめです。
また、このタイプは他2つに比べ、値段がかなり安いという特徴もあります。
そういう意味でも、初めてCBDを使用してみる人向けと言えるでしょう。
まとめ
CBDの成分による3種類の違いを紹介しました。
いかがだったでしょうか?
まとめると、
- 多くの効果を感じたい→ブロードスペクトラムCBD
- CBD初心者、他の成分はいらない→アイソレートCBD
がおすすめです。
フルスペクトラムCBDは、日本で販売されているものでもTHCの含有によってはリスクがあるので、この記事ではあまりおすすめはできません。
以上の事を踏まえて、自分に合ったCBDを探してみてください。
セルフケアとしてCBDの利用がどんどん注目されているこの時代、あなたに合ったCBD製品がきっと見つかると思います。