CBDとアルコールを摂取すると体にはどのような影響を与えるのか?
近年、リラックスや痛みを和らげたり安眠効果があるなどのエビデンスが証明され、注目を浴びているCBD。
その一方で、アルコールも適度な摂取であれば、リラックス効果を与えるなど、体に良い影響を与えることで知られています。
では、これら二つを同時に摂取するとどのようなことが起きるのでしょうか?
今回は、イギリスのCBDとアルコールの関係に関する記事(CBD4 beginners CBD And Alcohol)を参考に、CBDとアルコールの関係について解説していきます。
CBDは血中アルコール濃度を下げる
まず、CBDとアルコールを同時に摂取するとアルコール濃度が下がるという研究結果からご紹介します。
1979年に行われた実験では、CBDのみを摂取する人、アルコールのみを摂取する人、そしてアルコールとCBDを組み合わせて摂取する人の3つのグループに分け、CBDとアルコールの同時摂取に関する実験が行われました。
この実験では、アルコールとCBDを同時に摂取すると、アルコールのみを摂取した時と比べて血中アルコール濃度が大幅に低下するということが明らかになりました。
つまり、CBDは、アルコールが人体に与える有害な影響を軽減することができる可能性があるということが証明されたのです。
CBDはアルコールから肝臓を守り、ガンも防ぐ
次にCBDがアルコールによる肝臓へのダメージを軽減したり、ガンを防ぐ可能性があるという研究結果をご紹介します。
2014年にマウスを使って行われた実験では、CBDがアルコールによる肝臓へのダメージを軽減することができるいうことがわかりました。これは、CBDには抗酸化作用があり、酸化ストレスに対して作用するからです。
酸化ストレスは、アルコール誘発性肝障害(長期にわたり(通常は5年以上)過剰な飲酒を常習的に続けることによって起こる、さまざまな肝障害の総称)を誘発する物質として知られています
同様に、CBDの摂取は細胞のオートファジーを増加させる可能性があります。オートファジーとはダメージを受けた古い細胞を取り除く能力のことです。
オートファジーがうまく作用していないと、ダメージを受けた古い細胞が残り続け、新しく健康な細胞を作ることができません。またオートファジーは癌を防ぐ役割があるとも言われています。
慢性的なアルコール摂取は、オートファジーの機能を低下させ、新しい細胞を作る妨げになってしまいます。2014年に行われた前述の研究では、「CBDは、アルコールによるオートファジーの減少を防ぐことができる」ことが発見されています。
アルコール依存症とCBD
次にアルコール依存にCBDが効果があるのかという研究結果についてご紹介します。
CBDには薬物やアルコールを摂取した時のような「高揚感」を与えるような作用はありません。その代わりに、CBDは内在性カンナビノイドシステムをより効率的に機能させることによって、脳に間接的に作用します。
内在性カンナビノイドシステムとは、食欲、痛み、免疫調整、感情制御、運動機能、発達と老化など体内が、生きていくために本来備わっている身体調節機能のことです。
CBDには、痛みや炎症を和らげる効果があるので、アルコール依存に作用を及ぼす効果があるか調査が進められています。
痛みを和らげられることによって、アルコール依存の人がアルコールを絶つことに役立つかもしれないからです。
2019年に行われた、アルコール依存症の患者に対して行われた研究では、「CBDは、アルコールをほしくなるようなきっかけによる誘発性およびストレスによるアルコールへの渇望を弱めた」ということがわかりました。
つまり、アルコール依存症患者にアルコールへの欲望を抑えるような鎮静剤を導入することなく、CBDがアルコールへの渇望を抑え鎮静剤の導入に近い効果を表したということです。
この研究結果はCBDがアルコール依存から立ち直ることに役立つ可能性があるという有力な証拠となっています。
また、CBDにはリラクゼーション効果と不安を和らげる効果があると知られていますが、アルコール依存者がアルコールをやめようとしているとき、彼らがストレスと不安を感じることは避けられません。 CBDを服用すると、これらの感情を和らげ、アルコールのない生活への移行をより簡単かつスムーズにするのに役立つ可能性があります。
CBDとアルコールを最も楽しむ最大の秘訣は適量を服用すること
今回述べてきたように、CBDとアルコールの混合によって有害な影響を与えるといった研究データはありません。それどころか、CBDをアルコールに加えることはアルコールの負の側面を軽減するかもしれないという研究データの方が現在では有力視されています。
しかし、現状では、CBDとアルコールの同時摂取が完全に安全で効果的であるというに結論付けるには十分な量の研究が行われているわけではなく、エビデンスとしては証明するには乏しいというのが実際のところのようです。
ぜひ、CBDの力を過信することなく、アルコールの摂取には、引き続き、気を付け、CBDもアルコールも共に適切な量を服用することを心がけましょう。